1. 結論:チャットは「相談相手」、Claude Code は「手を動かす同僚」
Gemini(チャット)
相談相手
- 質問すると、答えを文章で返してくれる
- 調べもの・アイデア出し・画像づくりが得意
- 結果を手元のファイルに入れるのは自分
VS
Claude Code
手を動かす同僚
- 作業フォルダのファイルを読んで、直接作る・直す
- コマンドを実行して、動くか確かめる
- 指示や手順を残して、くり返しの仕事を任せられる
1手元のファイルを作る・直す仕事
Claude Code を中心にする
2調べもの・相談・画像や動画
Gemini が向いている
3どちらかに決めなくてよい
下調べは Gemini、作業は Claude Code という併用が現実的
2. 仕事の流れがこう違う
一番の違いは「結果を誰がファイルに入れるか」です。
Gemini(チャット):コピーして貼る往復が毎回ある
1質問を書く
自分
2文章やファイルを貼る・アップする
自分
3答えが返ってくる
Gemini
4答えをコピーする
自分
5ファイルに貼る・直す・保存する
自分
6動かして確かめる
自分
うまくいかなければ 1 に戻って、また質問する
Claude Code:作業フォルダの中で完結する
1フォルダを開いて頼む
自分
2ファイルを読む
Claude Code
3直接作る・直す
Claude Code
4実行して確かめる
Claude Code
5結果を見て、OK かやり直しか決める
自分
v2.1.283 以降のターミナル・VS Code では、既定の auto モードで AI の判定役(分類器)が操作を審査します。毎回は聞かれません。1回ずつ確認する手動確認モードにもできます(3章の観点5・6章)
チャットでもファイルをアップロードして読ませることはできます。違いは、結果を手元のファイルに反映する作業を誰がやるかです。
3. 違いが出る6つの観点
それぞれ「チャットだと」「Claude Code だと」を1行ずつ並べました。
1手元のファイルに直接さわれる
チャット貼る・アップする。直した結果は自分で保存する
Claude Code作業フォルダのファイルを読み、直接書き換える
2実行して確かめられる
チャットやり方を教えてくれる。手元のファイルへの反映と実行は自分で行う(Canvas でアプリやゲームを作れる。コード実行全般ができるかは確認できていない)
Claude Codeテストなどを実行し、失敗したら直してまた実行する
3指示と記憶を残せる
チャットGems や Gemini のスキルで「いつもの指示」を保存できる
Claude Codeフォルダに CLAUDE.md を置くと、毎回の開始時に読む。ほかにも自動で学んだことを覚える機能がある
4いつもの手順を「型」にできる
チャットGemini にもスキルがある。くり返す手順を保存し、作業に合わせて自動で呼び出せる。skill.md の取り込みもできる(個人アカウントの Gems は11月にスキルへ移行)
Claude Codeスキルに手順をまとめ、/名前 で呼び出せる。違いは、手元のファイルやコマンドに対して手順を実行できること
5勝手にやらせない範囲を決められる
チャット手元のファイルを直接書き換えないので、その点の心配は少ない
Claude Codev2.1.283 以降のターミナル・VS Code の既定は auto モード。毎回は聞かず、AI の判定役が操作を審査する。1回ずつ確認する手動確認(Manual)モードや、許可・禁止のルールも選べる
6ほかの道具とつなぐ
チャットGoogle のサービス(検索・Gmail・ドライブなど)との連携が強い
Claude CodeMCP という共通の仕組みで、Google ドライブ・Slack・Jira など外の道具につなぐ
くわしく:ほかにできること
フック(ファイルを直したあとに自動で整形する、など決まった処理を差し込む)、サブエージェント(作業を分けて並行して進める)、定期実行(毎朝・毎週のくり返し)、スマホやブラウザから続きを進める、がある。公式の概要ページに記載(確認日 2026-10-18)。
4. Gemini(チャット)が強い場面もある
ここは Gemini のほうが向いています。
調べもの
Google 検索を使った情報集めが得意。Deep Research は調査計画を立て、数百のサイトを調べ、数分で複数ページのレポートにまとめる。
Google サービスとの連携
Deep Research は、ユーザーが選べば Gmail・ドライブ・チャットの内容も材料にできる。Gmail や Google フォトなどとつなぐ機能(Personal Intelligence)もある(ベータ・個人アカウント限定・EEA などは対象外)。
画像づくり・画像編集
画像の生成と、アップロードした写真の編集ができる。有料プランには動画生成も含まれる。
アイデアを形にする(Canvas)
文章から簡単なアプリやゲームを作ったり、調査レポートをウェブページやクイズにしたりできる。全ユーザーが使える。
スマホで手軽に・無料で始められる
スマホとウェブで使える。無料プラン(0円)にも Deep Research・Gems・Canvas が入っていると料金ページに記載。
Google アカウントだけで始められる
インストール不要。ターミナルも使わない。ふだんの Google サービスの延長で使える。
Google にも「手を動かす」道具はあります。Google Antigravity は、自律型のAIエージェントでコードの作成・テスト・デプロイまで自動化する道具で、開始費用なし(基本的な週単位のレート制限付き)で始められると料金ページにあります。Google は2026年5月19日に Gemini CLI を Antigravity CLI へ移すと発表し、2026年6月18日に、Google AI Pro・Ultra の利用者と Gemini Code Assist for individuals(無料)の利用者へのリクエスト処理が止まりました。有料の API キーなら Gemini CLI は引き続き使えます。手を動かす道具は Claude Code だけが選択肢ではありません。この資料の比較対象は、あくまでチャットです。
5. どっちを使う?の分かれ道
手元のファイルを作る・直す?
(書類の整理、表の集計、ブログやサイトの修正など)
はい
Claude Code を中心に
いいえ ▼
同じ作業をくり返す?
(毎週の定型レポートなど)
はい
Claude Code で「型」にする
いいえ ▼
画像や動画をつくりたい?
はい
Gemini(チャット)
いいえ ▼
調べもの・相談だけ?
(外出先のスマホ、サッと聞きたいときも)
はい
Gemini(チャット)
いいえ ▼
併用の例:Gemini の Deep Research で下調べをして、結果をメモとしてフォルダに保存する。そのフォルダで Claude Code に「このメモをもとに見積もりの表を直して」と頼む。
6. 始めるときに知っておくこと
$20 / 月
Claude Pro(月払い・税別)。年払いなら月あたり $17($200 を前払い)。Claude Code が含まれる
$100〜
Claude Max(税別)。ページに書かれているのは「From $100」だけ
含まれない
無料プランには Claude Code が入っていない。別に API 利用のアカウントでも使える
料金は 2026-10-18 時点、公式の料金ページで確認。表示価格に税は含まれません(税別)。ページは「$」表記で、通貨名は明記されていません。
どこで使う?
ターミナルコマンドを打つ画面。フル機能
VS Codeエディタの中で差分を見ながら
デスクトップアプリ画面で差分を確認。有料プランが必要
ウェブブラウザで。スマホアプリからも
Mac / Linux のターミナルでの導入コマンド(公式):
curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash
導入後は、作業したいフォルダに移動して claude と打つと始まります。初回はログインを求められます。Windows の導入コマンドは公式ページを見てください(付録の出典)。
最初の一言の例
書類の整理「このフォルダの PDF を、年ごとのフォルダに分ける案を先に見せて。私がOKするまで動かさないで」
表の集計「家計.csv を月ごとに集計して、結果を新しいファイルに保存して。元のファイルは変えないで」
サイトの修正「トップページの見出しを直して。直した場所を一覧にして教えて」
1回ずつ確認したいとき(手動確認 Manual モード)起動のときに指定する:
claude --permission-mode default
(
manual と書いても同じ)。使っている途中で切り替えるときは、ターミナルでは Shift+Tab、VS Code では画面のモード表示から。公式の permission-modes ページに記載。
任せる範囲は権限で決める既定は auto モード(初回に通知が出る)。最初は1回ずつ確認したいなら、下の手動確認モードで始める。
大事なファイルは git で履歴を残すgit は変更の履歴を残す道具。直されても元に戻せる。
最初は小さなフォルダでコピーを作って試すと安心。仕上がりは自分の目で確かめる。
付録A. 出典(確認日はすべて 2026-10-18)
くわしく:確認できなくて書かなかったこと
- Claude Pro・Max の使用量の上限、Max の各段階の個別価格(ページは「From $100」のみ)。
- Claude の日本円での価格(ページの通貨名も明記なし)。
- Gemini 無料プランの具体的な利用回数の上限(「基本の上限」としか書かれていない)。
- Gemini アプリでのコード実行全般(Canvas の記載は「アプリやゲームのコードを生成する」まで)。
- Gemini アプリの概要ページ(gemini.google/overview/)は古い版(2024年7月更新)の記載だったため、機能の根拠には使っていない。
- Gmail・ドライブ・カレンダー連携の細かい範囲は、ページごとに書き方が違う。この資料では各ページに書かれた範囲だけを書いた。
付録B. 用語のミニ解説
- ターミナル
- 文字でコンピューターに命令する画面。Mac は「ターミナル」、Windows は PowerShell など。
- 作業フォルダ
- Claude Code に見せて作業させるフォルダ。そこにあるファイルを読み書きする。
- CLAUDE.md
- 作業フォルダに置く説明書。毎回の開始時に読まれるので、決まりごとを毎回言わずに済む。
- スキル
- よく使う手順をまとめたもの。名前を呼ぶだけで同じ手順を実行できる。
- フック
- 「ファイルを直したら自動で整える」のような、決まった処理を差し込む仕組み。
- サブエージェント
- 作業を分担する別の担当。複数を並行して進められる。
- MCP
- AI と外の道具(ドライブ、Slack など)をつなぐ共通の規格。
- 権限
- どの操作を許すか・禁じるかの設定。
- git
- ファイルの変更履歴を残す道具。間違えても前の状態に戻せる。
- Gems
- Gemini に「いつもの指示」を覚えさせておく機能。個人アカウントでは11月にスキルへ移行する。